[ テーマ: 病院 ]
2010年6月6日20:59:29
今月に入って病院は少し落ち着いた日が続いていましたが、今日はフィラリア予防の駆け込みといった感じで忙しい一日でした。
予防中心の診察の中において、今日は病態の異なるフィラリア症の患者さんが2件。
1件は咳が続いて食欲が落ちてきたことを主訴に来院。
検査をすると慢性のフィラリア症がかなり進行した状態で心臓も巨大になり、肺にも病変を認めます。
心臓はそれほど長くは持たないかもしれませんが、なんとか内科治療に反応して少しでも元気になってくれればと思います。
もう1件は数日前からおしっこの色が赤く、元気食欲もなくなっている状態。
粘膜の色は真っ白で、心雑音でも特徴的な音を聴取。
超音波検査をすると心臓の中にだんご状に絡まったように映るフィラリア。
この状態は急性のフィラリア症(通称:ベナケバ)です。
頸静脈から心臓内に鉗子などを挿入し、フィラリアを直接摘出するしか助けてあげる方法はありません。
今回の患者さんは血液の状態や一般状態が悪すぎた為、飼主様と相談した結果、手術をせずに自宅で看取ることとなりました。
最近は小型犬種の室内飼育のケースが多いため、飼主様の中にはフィラリア症を他人事のように話される方もいます。
確かに感染率の話になると飼育環境によって大きな差があると思いますが、どちらにしてもフィラリアはこの地域ではまだまだ身近に感染する可能性のある病気で、月に一度のお薬でしっかり予防できる病気です。
今年の予防は遅くとも今週中には始めてあげてくださいね。
この記事へのコメント (3)
りぃ 2010年6月7日 11:18:47
院長 2010年6月8日 15:20:13
りぃ 2010年6月9日 09:29:05