[ テーマ: 病院 ]
2008年8月18日08:39:48
昨日は嬉しいことがありました。
3年前に食べた毛布を手術で取り出した高齢のダルメシアンが無事退院しました。
手術前の状態もあまり良くなく、輸血をしながらの手術。
小腸を50cmも切除しましたが、何とか退院できるまで回復してくれました。
異物除去の手術は比較的良くある手術です。
しかし、今回の手術は僕の経験の中では一番大変な手術でした。
十二指腸が最初は胃と見間違えるほど拡張してしまっていて、さらに毛布の繊維が広範囲にわたって腸の粘膜に取り込まれるように癒着していました。
3年前に動物病院で治療を受けたのですが、その後元気になった為、毛布の有無について詳しい検査を行わなかったとのことでした。
僕の経験的に飼主さんが食べたかもしれないという場合、80%くらいの確率で食べているだろうと推測し、検査を勧めるようにしています。
しかし、動物の状態によっては大丈夫だろうと安心してしまうかもしれません。
自分も同じ失敗を起こす可能性が十分あるので勉強させてもらった症例でした。
異物摂取は良く起こります。石や金属などはX線検査などで容易に診断も可能ですし、内視鏡(当院にはまだありませんが...)や早期の手術で対応可能です。
しかし、毛糸などのひも状異物といわれるものは発見が難しい上、腸を広範囲にわたって損傷してしまう為、取り返しのつかない事態を引き起こす場合もあります。
異物摂取は動物が悪いのではなく、飼主様の不注意が引き起こすものです。
十分気をつけてください。
http://www.hasui-vet.com/hasuir/tb.php/4001
この記事へのコメント (0)
この記事へのトラックバック (0)