[ テーマ: 病気 ]
2009年6月23日20:41:00
今日は当院にしては少しハードな一日。
まずは今朝3時に緊急用の携帯電話で起こされました。
昨日飼主様が帰宅すると部屋はものすごく暑く、犬もぐったりしていたそうです。
様子を見ている間にどんどん呼吸状態も悪化し、血便も出てきたのであわてて連絡してくれました。
昨日の高松の最高気温は34度。今年最初の熱中症患者です。
来院時の体温は42℃近く。 42℃を超えると体内の細胞障害が起こります。
意識もしっかりあったのでとりあえず冷水+送風で体温を冷まし始めたのですが、これがなかなか下がってくれません。
最終的には麻酔をかけて体温を下げ、ようやく落ち着いたときには外も明るくなっていました。
高体温による影響は脳、心臓をはじめ腎・肝臓・胃腸・筋肉へと広範囲に及びます。
また50%近くがDICという血液凝固不全の状態に陥るとも言われています。
お昼は唾液腺(下顎腺と舌下腺)切除の手術。
ガマ腫とも呼ばれる病気の為の手術ですが、患者さんがまだ若齢で短頭種のため、いくつかある治療法の中で積極的に完治を目指す手術法を選択しました。
それ程頻繁に行う手術ではない上、非常にデリケートな手技を要する手術の為、睡眠不足の体にはかなりきつい手術でした。
そのまま休憩なしでの午後一番の患者さんは40kg近いシェパードの耳血腫。
飼主様とスタッフ皆で押さえて耳に溜まった血液を吸引後、上手く治ることを祈りつつお薬を注入。
そして夕方にはまた熱中症の患者さん。
散歩中雌犬に興奮して追いかけた後で突然呼吸が苦しくなったそうです。
点滴の為の血管を確保する為に体を少し保定するだけで舌の色が紫色になり、その後失禁。
ちょっと危険な状態でしたが、診察終了時には少し落ち着きました。
今夜は室温をかなり下げた入院室で体温に注意しながらお預かりです。
今日は充実した一日でした。
暑い!
人間も水分補給をしっかりして、体調管理に気をつけましょう。
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