[ テーマ: 病院 ]
2009年4月25日15:38:00
先週の『腎臓病』についての勉強会でぶどうが危険ということを書きましたが、その勉強会で尿比重についての新しい知見を知りました。
『尿比重』とは尿の濃さのことで、腎臓が悪くなると尿が薄くなり、尿比重の値が低くなります。
腎臓の異常を見つけるためには血液検査でBUN(血中尿素窒素)やCRE(クレアチニン)という項目を調べることは一般的ですが、血液で異常が認められたときにはすでに腎臓の大部分の機能が失われてしまっている状態です。
動物において最も早く腎臓の異常に気づくことのできる検査が尿比重の測定であることは分かっていたことですが、日本で一般的に使用されていた人用の尿比重計では誤差が出ることが昨年明らかになったとのこと(知りませんでした)。
すでにアメリカの会社からは犬猫用の尿比重計が販売されていたのですが、皮肉なことに製造元は日本の会社。
ということで今回その会社が日本の獣医師向けに新しくデジタル表示の尿比重計を作ってくれたとのことで早速購入しました。
グッドデザイン賞を受賞した商品らしく、形もかわいく使い勝手も良いです。
中高齢の動物の健康診断には血液検査や胸腹部画像診断だけでなく、尿検査も非常に重要です。
ちなみに当院で尿を取る方法は、超音波診断装置で膀胱内の尿を確認しながら、注射器でお腹の外から針で刺して採尿します。
なるべく午前中に採った尿で検査するのが良いです。
『以前に比べお水を飲む量が増えた』『尿の色が薄くなった気がする』など、心当たりのある飼主様は一度ご相談ください。