[ テーマ: 病気 ]
2009年5月14日20:52:17
炎症性乳癌とは乳腺腫瘍のなかで最も悪性のものです。
手術も適応外で、手を出すことすらできないつらい腫瘍です。
昨日もなんとか摘出できないものかと、全身麻酔をかけるまではしたものの、数日の間でさらに進行していて、結果的に動物・飼い主様にとってもメリットがないと判断し、断念しました。
今回の症例は、昨年当院で大きな手術を乗り切ったダルメシアンの老犬。
3年間もお腹の中に毛布の切れ端がとどまっていて、輸血をしながら、腸を50cm近く切除しました。
手術後は非常に経過も良く、手術前には15kgをきっていた体重も今では20kg以上にまで改善しており、飼い主様も非常に喜んでいただいていただけに、今回のショックはさすがに大きかったです。
乳腺腫瘍は雌犬が罹患する腫瘍疾患の4割を占めるというデータもあります。
その乳腺腫瘍は2回目の発情までに避妊手術を行うことで、ほぼ100%防ぐことが可能です。
ということもあって僕は2回目の発情前の雌犬を飼われている飼い主様にはしつこく話をしてしまいます。
うんざりされている飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが....