[ テーマ: 病気 ]
2009年5月27日21:30:00
先日このブログでも今年はマダニが多いと書きましたが、今日午後一番にフィラリア予防に受診していただいた患者さんはそのマダニが媒介する『バベシア症』でした。
例年であればフィラリア検査の為の採血すら困難なほど暴れるのですが、今年はいつもと違って大人しい様子。
これはチャンスと思い『せっかくなので健康診断をかねて血液検査をしましょう』と勧めてみると、飼主様も『そういえばこの数日元気が無いので、できれば検査してください』と了解していただきました。
採血した瞬間から『血がうすいなぁ』と感じたのですが、調べてみるとひどい貧血と血小板数の減少、軽度の黄疸。
血液塗抹で赤血球を調べるとバベシア原虫が認められました。
当院でのバベシア治療は、昔からある注射による治療法(重篤な副作用が起こるリスクがあります)か、高額な治療費になってしまうのですが比較的安全な内服薬での治療法(再発率が少し高い)を飼主様に選んでもらっています。
高齢の為、内服薬での治療を開始させていただきました。
フィラリア予防で受診した患者さんがバベシア症だったのはさすがに今回が初めての経験ですが、何とかいつもの元気すぎるくらいやんちゃな姿に復活してもらいたいものです。
当院でバベシア症に罹患した犬はラッキーなことにみんな元気にしてくれていますが、一度感染したバベシア原虫は完全に体内から排除することは不可能です。
つまり一生再発のリスクを背負うことになります。
当院ではチワワやシーズーなど一般的にはバベシア症とはあまり縁の無さそうな犬種での発生もあります。
『うちの子は大丈夫だろう』と考えず、万一に備えてノミ・ダニ予防薬を定期的に使用してあげてください。