[ テーマ: 病院 ]
2009年11月16日08:33:00
昨晩遅くに『犬が抱っこをしていて落としてしまってから調子が悪い』との電話。
良くあるケースですが、飼主様の様子からしてかなり状態が深刻そうなので、急いで受診してもらいました。
最悪のケースを考え、急いで麻酔器、気管チューブ、血管確保の準備をして待っていたのですが、来院時にはすでに心肺停止状態。
すぐに気管挿管をして、心臓マッサージをしたのですが反応がありません。
動物医療において心肺停止状態で受診された場合、助けてあげれることはほとんどありません。
飼主様は亡くなってしまった事をどうしてもすぐには受け入れられない様子でしたが、かける言葉も見つからず無力感を感じました。
心肺蘇生を諦めずどこまで続けるべきかという点はいつも判断の難しい問題です。
最初に抱っこしていて落としてしまうことは良くあるケースだと書きましたが、実際抱っこの状態やテーブルから落ちてしまって足を痛がっていたり、元気が無いから診て欲しいという電話が非常に多いのです。
とくに肩抱きをしている飼主様には診察時にはなるべく注意させてもらうのですが、チワワやトイプードルのトイ犬種の場合は骨折や今回のケースなど取り返しの付かない事態になりかねません。
日頃から動物の安全な抱き方について、とくに小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では一度本などを参考して話し合っていただくと良いと思います。