[ テーマ: 病気 ]
2014年7月16日15:44:33
外からぐったりして帰ってきた猫ちゃん。
来院時呼吸が荒く危険な状態。
Ⅹ線検査をすると胸が真っ白です。
超音波検査で、胸腔内に肝臓などの
腹腔臓器が確認されたので、『横隔膜ヘルニア』と診断。
横隔膜とは、胸腔と腹腔を隔てる筋肉の膜です。
その膜が破れてしまい、腹腔内の臓器が胸腔内に
入り込んだ状態が横隔膜ヘルニアで非常に危険な状態です。
来院時血圧も下がり非常に危険な状態でしたので、
点滴をし、状態を少し安定させてから翌日手術しました。
開腹すると、横隔膜の右半分がすべて剥がれ落ち、
左半分も真ん中で裂けてしまっていました。
今まで僕が経験した横隔膜ヘルニアの中で
最もひどい状態でした。
何とか縫い合わせ、胸腔チューブを設置して手術終了。
術前にひどかった黄疸も、術後はすぐに改善し、
数日の入院で無事退院。
手術後7日目の健診でも胸部はきれいで
元気食欲も安定して一安心でした。
猫を外に出してしまうと
色々な怪我や感染症のリスクが高くなります。
横隔膜ヘルニアも当院では久しぶりでした。
『外に出ちゃうのであれば、避難用にケージ飼育はどうですか?』
と飼い主様にお勧めしましたが、ストレスが心配・・・とのこと。
せっかく助かった命なので、また大怪我しないことを祈ります。