[ テーマ: 病気 ]
2009年1月30日23:35:00
肥満細胞はヒスタミンなどの物質を放出することで、炎症反応や免疫反応に関連する働きのある細胞です。けっして肥満の動物に多い細胞ではありません。
この細胞が腫瘍性増殖を起こしたものが肥満細胞腫で、犬ではリンパ腫とともに、発生の多い悪性腫瘍の1つです。
できものに針を刺して細胞を調べる検査(針生検:FNA)で、特徴的な細胞が見られる為、比較的院内での診断が可能な腫瘍であることが大きな特徴です。
一般的に~細胞腫とつくものは良性の腫瘍が多いのですが、肥満細胞腫はほとんどが悪性です。
治療選択肢も外科的切除が可能であれば広範囲の切除、完全切除困難な場合は化学療法や放射線療法になります。
先日も歯石除去の時に、飼主様が『そう言えばこの辺りにしこりが...』と思い出してくれた為、検査をすると肥満細胞腫が強く疑われ、切除できました。
一度目の手術での病理検査では、まず大丈夫だががん細胞が残っている可能性もあるとの答えだった為、再度手術をさせていただき、筋層を含め広範囲の切除をすることで完全切除が出来ました。
数ミリしかないおできのようなものでも肥満細胞腫であることも良くありますので、気になるしこりがあって、針生検などをして調べていないものがあれば、一度相談してください。