[ テーマ: 病気 ]
2009年3月21日21:37:44
『低血糖症』とは糖尿病による高血糖とは逆の状態で、血糖値が異常に低下し、動けなくなったり、痙攣発作を起こしてしまう危険な状態です。
原因としては糖尿病の治療のためのインスリン接種によるものや膵臓のβ細胞の癌などがありますが、日常診察で良く経験するのは『トイ種低血糖症』と呼ばれるものです。
若齢のトイ犬種は肝臓の発達が遅く(車でたとえるとガソリンタンクが非常に小さい状態)、そのためごはんを食べなかったり、下痢や吐き気などの消化器症状があれば(タンクからガソリンがもれている状態)、他の犬種よりも低血糖に陥りやすいです。
現在人気犬種のチワワ、トイプードルなどは、とくに仔犬の頃に『低血糖』になりやすいので注意が必要です。
今日も昨日ペットショップさんで購入したばかりのチワワの子犬が、家に来てからほとんどごはんを食べず元気が無いとのことで受診されました。
血液検査をすると血糖値が15(正常値:75-150)、さすがにここまで低下すると危険な状態です。
体重が360gしかありませんが、血管内に糖分を投与すると、動きが少し良くなり、今は少しずつ自分でもごはんを食べれるようになりました。
とりあえず一安心ですが、明朝までは注意が必要です。
飼主様も家に来てからずっと元気の無い状態しか見れていなかったので、面会時にしっぽを振っている様子を見て喜んでいただけてよかったです。
特にこれからトイ犬種を飼おうと思っている飼主様は、お店での食欲や便の状態などをしっかり確認してあげてください。
また下痢や吐き気があるときはあまり様子を見すぎないようにご注意ください。