[ テーマ: 病気 ]
2009年7月1日21:57:53
猫にとって非常に厄介な病気の一つに口内炎があります。
細菌やウィルス感染による炎症とも考えられていますが、明確な原因は分かっていません。
ひどくなると口が痛くて採食が困難となります。
治療法としては、多くの場合はステロイドを投与することで炎症・痛みを軽減させますが、徐々にお薬も効かなくなります。
他の治療法としてはレーザー治療や様々なお薬が試されていますが、ステロイドに変わる治療法はなかなか見つかっていません。
その為、当院ではステロイドの治療を行う前に全ての奥歯を抜歯することを勧めています。
抜歯のメリットとしてその部位の炎症を軽減させることで40~70%の改善率が期待できるとのデータもあります。
しかしこの処置の前に長期間ステロイドの治療を行っていると効果が悪いとの報告もあります。
当院に口内炎を主訴に受診される患者さんの多くはすでに長期間ステロイドの治療を受けているケースが多い為、それ程多く行う処置ではありませんが、今日は口内炎の状態はひどいながらも何とか採食できている猫の全臼歯抜歯を行いました。
口の中は真っ赤でとてもかわいそうな状態です。
この処置は結構大変で、患者さんには長時間の麻酔を必要とします。
最終的にはステロイドの治療が必要になると思いますが、なんとか少しでも長くお薬を使わずにごはんを食べてくれればと思います。
ステロイドの治療も長期作用型の注射での治療はなるべく避け、投薬可能な猫には、痛みをコントロールする為に最小限必要な量のお薬で維持することをお勧めしています。