[ テーマ: 病気 ]
2011年10月14日19:07:59
今日は奥さんが保育園の行事のため午前中不在でした。
まだ僕一人での診察は厳しいので、今日は午前診察を休診とさせていただきました。
ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
昨晩遅くに急患で来院した雄猫はおしっこが出ていない状態(尿道閉塞)でした。
数日前から元気がなくなり、嘔吐もしていました。
急性尿毒症の症状です。
最近の尿閉の中ではかなりひどい状態で、ペニスの先端は乾燥し、黒く変色していて、血液の状態も相当ひどいものでした。
幸い尿道の閉塞は解除でき、今日になって徐々に状態も落ち着きつつあります。
大分気候も涼しくなってきました。猫の患者さんが増える季節です。
なかでも尿路閉塞は数日で死に至る怖い病気です。
通常尿路閉塞に至る前には膀胱炎によりトイレの回数が増えることが多いので、これからの季節、とくに雄猫のトイレの様子には常に気にかけてあげてください。
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2011年9月18日20:57:58
今朝は早朝6時から病院猫のねむ君から採血し、入院の猫に輸血。
この猫はヘモプラズマ症という感染症により重度の貧血を起こしていました。
この病原体が赤血球に寄生すると、赤血球が破壊され溶血が起こります。
来院時のPCV(血液の濃度)が5%・・・超貧血です・・・それなりに歩くこともできていることに驚きでした。
輸血により元気を取り戻し、自分でフードも食べてくれるようになったのでとりあえず一安心ですが、実はこの猫ちゃんは再発症例です。
(犬のバベシア症と同じで一度感染すると完全に除去することができないとされています。)
以前にも同じ症状で来院され、その時は輸血直前に心肺停止寸前の非常に危険な状態に陥いったものの、なんとか奇跡的に回復してくれました。
ただ残念ながら元気になると来院も途絶えてしまい、投薬も中途半端な状態で終わってしまっていたところの再発・・・説明の仕方が不十分なのが原因なのでしょうか?どうしても動物の場合は病気の重さをご理解していただくことが難しいと感じることが多々あります。
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2011年7月29日19:26:24
今日も暑い一日でした。
僕自身はやや食欲も落ち気味で、麺類が増えている今日この頃です。
最近、『これといった症状はないけれども、なんとなく食欲がない。どこか悪いのでしょうか?』という相談が急増中。特に犬に多いです。
老齢動物や下痢・吐き気など他の臨床症状がある場合などは検査・治療も必要となるのですが、若く元気もそれなりにある場合はなかなか判断が難しいものです。
正確な原因は分からないのですが、1歳前後の成長が終わったころの若犬で、いつものご飯を突然食べなくなったりするという相談をよく受けます。
物言わない動物たちですから、やっぱり食べてくれないと飼い主様も不安になるのも当然です。
その場合は、子犬の時のようにふやかしてあげたり、少し缶詰を混ぜて温めてください。少し食欲が落ちている程度であれば食べてくれることも多いようです。
おやつや人の食べ物を与えてしまうことはなるべく避けるようにしてください。
それが原因でおなかの調子が悪くなることもあります。
猫は犬に比べると夏バテという症状での来院は少ないです。
ただいつもより元気がなく、日中の室温が高い環境であれば、まずはエアコンを入れてあげてください。
今年の7月は例年になく過ごしやすかった気がしますが、その分これから夏本番を迎えるとバテテしまうかもしれません・・・人も動物たちもなんとか暑い夏を乗り切りましょう!
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2011年7月23日19:37:21
先日台風の中来院してくれた患者さん。
顎の傷が治らないとのことでしたが、かさぶたを取ってみるとなんと輪ゴムが・・・
口の中にも・・・
(原因はわかりませんが・・・)かなり前に下あごに輪ゴムが止まってしまって、下唇を切り顎の骨の部分に達していました。
驚くことに切れた下唇は自然にくっついていました。
輪ゴムによるけがはまれに起こります。
耳が長い犬種などで、水を飲むときに耳が濡れるのでゴムで止めているのをそのままにしていて耳が壊死したり、お子さんのいたずらで腕にゴムをしてしまい腕の先が壊死しかけたワンちゃんもいます。
特に毛の長い犬種の場合はゴムに気づきにくいものです。
身近なもので、人間では考えにくいようなことが起こるものです。
ご注意ください。
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2011年6月22日15:12:00
奥歯(臼歯)のひとつが棘のようにとがってしまった結果、舌を傷つけ、痛くてご飯が食べられなくなったうさぎです。
うさぎやモルモットなどのげっ歯類の歯は伸び続けてしまうため、上下の歯の噛み合わせがずれてしまうと、このようになってしまうことがあります。
麻酔をかけ、とがった部分を削りました。
無事食欲が戻ってくれるとよいのですが・・・
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2011年6月21日15:14:22
そろそろぶどうがおいしい季節です。
我が家でもほぼ毎朝子供たちがおいしそうにぶどうを食べています。
近年ぶどうやレーズンは犬で急性腎不全を起こす可能性があると報告されています。
国内では去年宮崎県でマルチーズがブドウを食べた後に急性腎不全の症状で亡くなったと報告されました。
玉ねぎやチョコレートほど知られていませんが、危険を含む食物として覚えておいてください。
今日は久しぶりに天気が良いですね。涼しい日が続いたせいか、暑く感じます。
この季節熱中症にもお気を付けください!
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2011年6月13日18:27:43
胃の中があるものでパンパンです。何だと思いますか
正解は、手羽元の骨です。
手羽元の骨を食べて来院するケースは結構多いのですが、これだけの量は僕の経験の中でも初めてです。
奥さんはこのX線写真を見た途端、せっせと胃切開の準備に取り掛かろうとしていましたが、ちょっと待って。
もし問題があれば責任を取ってすぐに手術するからということで数日経過観察をすることにしました。
スタッフの犬でなければなかなかこうは言えません。
2日経って今朝のX線写真です。
腸内にガスは貯まっていますが、本人の調子も良く大きな骨のほとんどはなくなりました。
鳥の骨は、砕けるとナイフのように先が尖ってしまう為、食べてしまった骨の量や大きさによっては穿孔や腸閉塞のリスクを考え内視鏡か胃切開をお勧めします。
先週は猫でボタンのようなものを食べてしまった子の開腹手術もありましたし、50cmくらいのビニルヒモを食べたけど、幸いお尻から出てきた猫も患者さんもいました。
異物摂取にはくれぐれもご注意ください!
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2011年6月11日18:53:06
数年前に他院で手術をしたのですが、また大きくなってきたということで受診されました。
来院時すでに腫瘍の表面が自潰し、化膿もひどい状態。
ちょっと触ろうとするだけで噛み付いてくるので相当痛かったと思います。
今回は耳を残すことができず耳を切除させて頂きました。
病理検査の結果は『アポクリン腺腫』という耳垢腺に由来する良性腫瘍でした。
今日術後再診がありましたが、傷口を触っても怒らないようになっていたので、痛みも軽減したと思いますし、化膿臭もかなりなくなりました。
ここまで大きな腫瘍は珍しいですが、耳が悪化する原因のひとつに耳の入口に出来物ができている場合がありますので、是非一度ご相談ください。
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2011年6月6日22:35:46
日々の診察の中で何ともつらくなるものの一つ・・・『ハエウジ症』
多くは屋外で飼われている足腰が立たなくなった老犬に見られます。
ハエによって植えつけられたウジ虫が皮膚や肛門から無数に出てきます。取っても取ってもきりがないほど。皮膚や筋肉が食われ、激痛です。
中にはそのまま安楽死を選択する場合もあります。
老衰や基礎疾患の存在などの原因はありますが、一番は飼い主様の管理・注意不足だと思います。
『今の日本でウジ虫を相手に仕事を行うのは獣医師くらいかも?』という奥さんの問いかけに、確かにそうかも・・・と考えてしまいました。
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2011年5月11日07:59:51
『外から帰宅したらお腹から何か出ている』ということで来院された猫ちゃんです。
最初は乳腺腫瘍かと思いましたが、お腹の中の脂肪が飛び出しています。
恐らく喧嘩による外傷が原因だと思いますが、もともとおへその部分の腹壁が弱かったのかもしれません。
この状態で手術まで約1日半過ごせたことが驚きです。
ちなみにこの猫ちゃんはエイズウイルス検査では陽性です。
まだまだこの地域では猫を外に出して飼育されている方が多くいらっしゃいますが、日々交通事故や感染症の猫を診させて頂く立場としては、やはり屋内飼育の方が幸せなのではと思います。