[ テーマ: 病気 ]
2012年10月1日08:11:00
台風も通過し、今日から10月。 一気に秋が近づいて来る感じ。
9月後半になって、急に脚や顔を腫らした動物たちの来院が増えています。
原因の一つに虫刺されの可能性が考えられます。
バベシア症もすでに発症しています。(これからの季節急増する病気です。)
これから涼しくなって動物たちとのお出かけの機会も増えてくると思いますが、最低限ノミ・ダニ予防はしっかりとしてお出掛け下さい。
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2012年8月2日07:38:00
昨日は朝からバタバタとした一日。
朝一番で当院最重量級の50kgを超えるバーニーズが熱中症に伴う肝・腎障害で入院。
運んだり、処置をしたりも大変で皆ヘトヘト。
続いて、胆嚢破裂に伴う腹膜炎のA.コッカーの手術。
破れた胆嚢と中に詰まっていたゼリー状の胆汁です。
『胆嚢粘液嚢腫』という状態だった胆嚢が破裂していました。
幸い手術はうまくいきましたが、術後死亡率も比較的高い手術だけに、今朝まであまりゆっくり眠れず寝不足気味ですが、おかげでずっと我慢していたオリンピックを十分堪能できました。
ただ、昨日の午前中の診察は前半は僕が熱中症の患者さんの処置に時間がかかり、後半は僕一人の診察となり手術のことなどで余裕が無く、丁寧な診察ができませんでした。
本当に申し訳ありませんでした。
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2012年3月1日08:41:10
うるう年だった昨日の夜はねずみの人形の付いた猫じゃらしのひもを食べた猫の腸切開がありました。
麻酔をかけてちょっと引っ張ってみましたが、やっぱり取れません。
次に内視鏡で確認すると十二指腸のかなり奥まで達していたので、腸切開をすることにしました。
ひもの先は結腸にまで達していたので、ひもを摘出するためには小腸を数か所切開する必要がありました。
この猫ちゃんは日頃当院が検査依頼などでよくお世話になる動物病院から逆に紹介された患者さんでした。
早く摘出してあげれて一安心です。
ひも状異物は猫の異物摂取としては最悪のもので、この猫ちゃんも対処が遅れると腸の広範囲が傷んでしまって危険な状態になっていたと思います。
ショップさんで売っている猫じゃらしなどのおもちゃは粗悪な物が多いように感じます。
1年間で何頭の猫がこういったおもちゃが原因で手術を受けたり、亡くなったりしているんだろう?といつも手術をしながら思います。
犬の骨ガムやアキレスなども同じです。
人で問題になった『こんにゃくゼリー』どころの騒ぎじゃないと思うのですが、動物だから問題にならないんでしょうか・・・残念なことです。
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2012年1月20日08:15:00
昨晩ちょうど布団に入って日記を書いていると時間外の電話。
昨年末に帝王切開で出産したチワワの飼い主様からで、突然呼吸が苦しそうになり、足元がふらふらしているとの電話でした。
産後3週目ということもあり、電話を受けてすぐに低カルシウム血症による産褥テタニーだろうと推測し、カルシウム剤の注射の準備をして待つことに。
来院時は比較的落ち着いていたものの、血液中のカルシウム濃度が5.5(正常は9以上)とかなり低下していました。
注射をすると短時間で状態は改善したものの、夜遅かったため朝までお預かりすることにしました。
今朝先ほどのカルシウム濃度は9.0にまで回復していたのでとりあえず一安心です。
産褥テタニーは放置すると死に至る危険な状態です。
原因ははっきりとは分かっていませんが、乳汁へのカルシウムの喪失やフードのカルシウム不足などが考えられています。
当院では決して多く起こる症状ではありませんが、母乳をしっかり与えている母犬の食事管理などは気を付けなければいけません。
以前経験したのはトイプードルで、けいれん発作を起こしていました。
出産に関係する問題はいろいろ起こります。
もしも飼い主様の発見が遅れ、病院としても対応できなければ母犬は亡くなっていたかもしれません。
出産は決して100%安全ではないということを覚えておいてください。
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2012年1月14日15:22:37
以前里親さんを募集していた『あんこ』。
本日無事新しい飼い主様のもとへ貰われていきました。
2か月前。
交通事故に遭って運ばれたときはお腹の皮膚が広範囲に剥がれてしまっていました。
最初はとにかく怖がり。
世話をしてくれたスタッフのおかげで少しずつ慣れてきました。
耳も立ってきて、だいぶ凛々しい顔に成長しました。
名前も『あんこ』改め『さくら』ちゃんです。
新しい飼い主様は長年飼っていたワンちゃんが乳癌の肺転移で亡くしたばかり。
抱っこしてもらっても意外なほど怖がらず落ち着いた表情していたので、スタッフ一同一安心しました。
人と動物お互いにとって幸せを感じることのできる存在となってくれることを祈るのみです。
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2011年11月25日10:36:17
頻尿と便が出にくそうということで来院した15歳のおばあちゃんダックス。
検査してみるとお腹の中のかなり下の部分に大きなしこりがありました。
骨盤ギリギリのところでゆっくりゆっくりアプローチすると・・
こんなに大きな固い腫瘤が摘出されました。
出来ていた場所は膣壁です。
陰部の外に飛び出てくるケースもありますが、今回のようなケースは当院では比較的珍しいものでした。
病理組織検査結果は良性の平滑筋腫。
高齢で少し貧血気味だったため手術のリスクもそれなりに高かったのですが、術後経過も順調で何よりです。
この子は以前に乳腺腫瘍も摘出しています。
今回は同時に卵巣子宮の摘出も行いましたが、女の子の病気はやっぱり多いものです。
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2011年11月16日07:15:00
例年に比べかなり暖かい日が続いているように感じますが、朝晩だいぶ冷えるようになってきました。
そこで屋外飼育の場合、寒かろうとタオルや毛布を敷いてあげたくなると思います。
その際、引きちぎったりしていないかどうか気を付けてあげてください。
タオルや毛布をちぎって食べてしまうケースは決して珍しくありません。
当院の今年最初の手術もラブラドールの胃切開によるタオルの摘出でした。
ペット用ヒーターや湯たんぽなどもコードを咬んでしまったり低温火傷のリスクはありますが、それぞれのご家庭の環境にあったものを選んであげてください。
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2011年11月2日19:05:00
溶血性貧血とは、血管内で赤血球が破壊されてしまうことにより生じる貧血です。
飼い主様が貧血に気づいてあげることは非常に難しく、おしっこの色が濃くなることと、元気食欲が徐々になくなってくることが一般的な症状です。
先日の日曜日は溶血性貧血の犬が2件。
1件は自己免疫性溶血性貧血(IMHA)で、もう1件はバベシア症によるものでした。
しかし、この時期、この地域で犬の溶血性貧血で一番多い原因はダニから感染するバベシア症ですので、IMHAの診断にはちょっと悩みましたし、バベシア症のワンちゃんはまだ若いT.プードル・・・どちらかというとバベシア症が多い犬種ではありません。
どちらももう少し悪化すれば輸血も検討しなければいけなかったのですが、幸いお薬が反応して改善傾向にあり、第一関門突破といったところです。
犬の溶血性貧血のそのほかの原因としては玉ねぎ中毒もあります。
吐いたり下痢もなく、なんとなく元気がなくなってきているときには、ぜひおしっこの色が濃くなっていないか?歯肉の色が真っ白になっていないか?チェックしてみてあげてください。
[ テーマ: 病気 ]
2011年10月22日19:30:00
[ テーマ: 病気 ]
2011年10月18日07:58:00
涼しくなると増える病気のもう一つに犬のバベシア症があります。
マダニから感染し、赤血球が壊され貧血(溶血性貧血)を起こすことで、死に至ることもある非常に怖い病気です。
フィラリア症は多くの方が予防を徹底してくれているため、近年減少傾向にありますが、バベシア症は相変わらず多い病気です。
先日も仲の良いご近所のワンちゃんが立て続けに同じ症状で来院しどちらもバベシア症でした。
あまりに同時期での発症のため他の病気との鑑別に悩みましたが、幸いどちらも回復傾向にあり一安心。
今のところバベシア症に完全な予防法も治療法もありません。
できるだけ草むらに入れないことと予防薬でしっかり予防することが大切です。
今年は従来のスポットオンタイプ(皮膚にたらす薬)にくわえて、経口投与タイプのノミ・ダニ予防薬も費用が少し安くて人気です。
涼しくなりアウトドアが気持ち良い季節になりましたが、今が一年で最も危険な時期ですのでしっかり予防してあげてください。