[ テーマ: 病気 ]
2011年3月7日21:11:00
今日の四国新聞に猿や犬猫の花粉症の記事が載っていました。
小豆島の銚子渓のお猿さんたちの中には毎年花粉症と思われる症状を示すのがいるようですが、犬猫では花粉症と診断することはほとんどありません。
犬猫の目が赤くなったり、涙の量が増える場合の原因の多くは角膜損傷、感染症、まつ毛などによることが多いです。
掲載されたポスターの写真の目のようにひどく赤い場合は緑内障を疑い必ず眼内圧の測定もしなければなりません。
人間にとっては非常に身近な花粉症ですが、犬猫ではそれほど一般的なものではありませんので、気になる症状がある場合はお早めにご相談下さい。
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2011年1月23日13:00:00
肛門に大きな腫瘍ができてしまった15歳と高齢のシーズー。
飼主様も去年の夏頃には気づいて他院を受診したようですが、高齢の為様子を見ていたようです。
肛門周囲に出来る腫瘍には、良性の肛門周囲腺腫や悪性の腺癌があります。
良性の腺腫は去勢をしてあげていない高齢犬で起こることがありますが、小さいものであれば去勢手術によって小さくなります。
今回は去勢手術と一緒に排便障害を起こさないレベルで出来るだけ切除することにしました。
手術直後の写真ですが、かなりお尻がスッキリしました。
ずっとオムツをして生活していたそうですが、今では出血などもしなくなり術後経過も順調。
病理組織検査の結果も良性の『肛門周囲腺腫』だったので本当に良かったです。
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2011年1月7日11:19:15
今年最初の手術は一昨日行った異物摂取(タオル)による胃切開でした。
元旦から食欲もなく、吐き続けているという事で受診。
お腹を開けるとラブラドールの大きな胃がパンパンになっていて、十二指腸などかなりの範囲にタオルがありました。
幸い胃切開を行い注意深く引っ張ると小腸内のタオルもすべて摘出することが出来ました。
キレイな手術ではない為、お腹の中をしっかり洗浄後に閉腹。
大量のタオルです。
手術翌日から元気食欲とも回復し、本日無事退院。
この季節は動物たちも寒いだろうという飼主様の優しさからタオルや毛布を敷いてあげることが多いと思いますが、ラブラドールなどの大型犬などでは今回のように食べてしまうことがありますので十分にご注意ください。
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2010年12月22日23:31:58
昨日胃切開の手術をした患者さんが無事退院した直後に、昨日から嘔吐が続いているダックスが来院。
腹部の検査をすると腸閉塞が疑われ急遽夜オペ。
小腸に大きな種がつまっていました。
閉塞してからの時間が早かった為、幸い腸のダメージも最小限でした。
たまたま二日続けての異物摂取。
当院ではダックス、F.ブル、コーギー、ラブラドール・ゴールデンが異物接種の代表犬種です。
これらの犬種の飼い主様は、これからクリスマスやお正月を迎えるにあたって異物摂取には十分お気を付け下さい。
今日は8回目の結婚記念日でした。
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2010年12月19日21:14:24
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2010年10月25日15:47:11
『猫ヘモプラズマ感染症』は、病原体に寄生された赤血球が破壊され、溶血性貧血を起こす病気です。
黒い粒粒に見えるのが、赤血球に寄生したヘモプラズマです。
感染経路はダニによる吸血や、咬み傷、母子感染が考えられていますが、まだ詳しくは解明されていません。
症状は貧血による元気食欲の低下、発熱、軽度の黄疸を認めることが多いです。
イヌのバベシア症のネコ版といった感じの病気です。
当院ではそれ程多い病気ではありませんが、ここの所立て続けに発症しています。
治療は抗生物質と短期のステロイドにおおむね反応しますが、ごくまれに貧血の程度があまりにもひどいと輸血が必要となることもあります。
貧血の症状は飼主様が気づいてあげることは難しいと思います。
一番分かりやすいのが歯肉などの口の中の色です。
元気なときに見てもらうとキレイなピンク色(ネコはイヌよりも薄いピンク色)をしていると思いますが、貧血のときは白くなっています。
もう1つは、溶血性貧血の場合はおしっこの色が濃い黄色になります。
けがや嘔吐下痢などの特定の症状を認めず、なんとなく元気がない場合は『貧血』ということも考えてみてあげてください。
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2010年10月14日20:49:32
この1週間で血尿を主訴に来院される患者さんが急増しています。
今年は寒いと言うにはまだまだ程遠い気候が続いていますが、例年寒くなると尿の病気が増えます。
多くは膀胱炎が原因ですが、まれに腫瘍疾患やオスの前立腺疾患の場合もあります。
特に屋外飼育の場合や夜に散歩をする場合に発見が遅れがちです。
頻尿をともなうことも多いので、尿の回数が多い場合も注意してみてください。
僕は一昨日、昨日と微熱が続いていましたが、今日になり完全回復しました。
皆さんも季節の変わり目、体調管理にご注意ください。
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2010年10月8日08:44:36
乳腺腫瘍は犬猫でも最も多くみられる腫瘍のひとつです。
犬の場合は良性の腫瘍である場合が多いのですが、猫の場合は悪性の乳がんである場合がほとんどです。
今回の腫瘍は直径10cm以上と猫にしてはかなり大きな腫瘍。
触られるのを嫌う性格のため、発見が遅れてしまいました。
15歳と高齢に加え、腫瘍は下層の筋肉にくっついており、表面の皮膚もかなり痛んでしまっています。
今回は悪性腫瘍が強く疑われ、仮に手術を行っても上手く切除できないかもしれませんし、結果的に余命を短くさせてしまうかもしれません。
こういった場合は治療の目的をどこにするのかを十分飼主様と話し合う必要があります。
飼主様は腫瘍表面からの浸出液や出血に悩まれており、リスクを承知の上で出来れば切除して欲しいということで摘出手術を行いました。
今回は肉眼的に認識できる病変は無事全て切除できましたし、術後の容態も安定しており満足できる結果でよかったです。
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2010年10月6日08:27:24
オスの精巣が1つまたは2つとも無い場合は鼠径部かお腹の中に残っています。
犬では比較的良く見られるのですが、猫ではそれ程多くありません。
ただ最近何故か多く目にします。
猫の場合は犬に比べると隠れている精巣の場所の確認がしづらく、鼠径部や陰嚢上部で確認できない場合は開腹しなければなりません。
この開腹する時『もしお腹の中に無かったら・・・』とちょっとドキドキします。
昨日の手術では比較的簡単に見つけることが出来ました。
左の正常な精巣に比べると、右のお腹の中にあった精巣は一回り小さいです。
去勢手術していない犬猫の飼主様は、一度精巣がちゃんと2個触れるかどうか確認してみてください。
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2010年8月8日20:56:00
明後日の『ビートたけしの家庭の医学』という番組で、犬や猫に咬まれたり、引っ掻かれることで感染する可能性のあるカプノサイトファーガ感染症が取り上げられるそうです。
番組内ではヒトが発症すると43%が死に至るといったかなりショッキングな内容になっているようです。
厚生省の報告によると、国内では2002年以降14人の方が重症化し、そのうち6人の方が亡くなったそうです。
過度に心配する必要はありませんが、日頃から動物との過度な接触は避けるべきですね。
たまに動物に咬まれのでどうすればよいでしょうか?と動物病院にお問い合わせいただきますが、すぐにお医者さんに診てもらってください。