[ テーマ: 病気 ]
2018年12月7日15:21:30
2つあるはずの精巣が
1つだけもしくは1つも確認できない場合、
『停留睾丸』とか『陰睾』などと言います。
犬は決して珍しくありませんが、
猫は犬よりもかなり少なく、
当院では年に数回だけ遭遇します。
犬の場合は、将来的に精巣腫瘍になる可能性が
正常の精巣に比べて10倍以上高くなると言われています。
また、若猫の精巣は犬よりも目立たないので、
手術当日に気付いたり、
暴れて触診がゆっくりできない猫の場合は、
最悪麻酔をかけてから気が付くこともあり、
ちょっと厄介です。
今日手術した猫ちゃんも、
以前去勢手術で来院してくれましたが、
停留睾丸だったので他の手術の都合もあって
延期してもらいました。
まずは麻酔をかけ鼠径部を中心に触診をしますが、
分厚い脂肪に覆われ、全く分かりません。
開腹をして精管をたどって捜しますが、
腹腔内には無かったので、
鼠径部の脂肪組織の中を丁寧に捜して、
無事発見・摘出できました
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2018年10月12日19:11:00
昨日の休診日に無事待合室のエアコンが復活しました
今朝は今年一番の冷え込みで、
日中もエアコンなしで快適でしたが・・・・
いよいよ秋らしい季節になってきましたが、
これからの季節はマダニの被害が
一年で一番多い季節になります。
マダニから感染する『バベシア症』の治療の為に、
通院している大型犬もいます。
マダニ予防はしっかりとしてあげてくださいね。
寄生虫つながりのお話ですが、
今日の午後、『目やにが多い』とのことで
来院した柴犬の目に白い虫を発見
分かりにくいのですが、
ピンセットの先にくっついているのが、
目の表面から摘出した1㎝くらいの白い虫です。
『 東洋眼虫 』というハエからうつされる寄生虫です。
当院でも年に1・2頭経験するくらいの珍しい病気ですが、
眼中は目の奥に入ってしまったりして、
1回の処置ですべての虫を
摘出できるかどうかは分かりませんが、
今回は数十匹(50匹以上?)の眼虫を摘出して、
処置をした奥さんは『新記録や・・』と言ってました
なかなか予防をすることは難しい病気ですが、
目薬を使っても治らない結膜炎などの症状の
原因になっている場合もありますので、
そういう場合は、目の表面に何かいないか
チェックしてあげてみてください。
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2018年8月5日13:37:04
相変わらず暑い日が続きますね。
先日の休診日には、
久しぶりに仁淀ブルーを見たくなったので、
仁淀川の安居渓谷に行ってきました。
雲が多かったのが残念でしたが、
相変わらずの透明度に満足でした!
(水温は低いので注意です!)
本題に戻りますが・・・
一般的に冬に多い病気とされる『雄猫の尿路閉塞』が
ここの所毎週のように起こってます。
対処方法は病院によって異なると思いますが、
当院では苦痛を与えないために
必ず全身麻酔をかけて導尿処置を行います。
今日の患者さんは、
なかなかカテーテルが通らず苦戦したため、
他の患者さんの待ち時間が長くなってしまって
申し訳ありませんでした。
オシッコが詰まってしまう前兆として、
トイレに行く回数が増えたり(頻尿)、
トイレ以外の場所でオシッコをするなどがあります。
猫のトイレは固まる猫砂タイプのものにして、
毎日の尿量を確認してあげることをお勧めします。
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2018年5月18日14:49:12
5月19日(土):午前休診 とさせて頂きます。
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一昨日の手術で摘出しました。
巨大すぎる『膀胱結石』です。
この結石の持ち主は体重7kgの小型犬なので、
さらに驚きでした・・・・。
結石を取りだすために膀胱を
必要最小限の切開をするのですが、
今回は結石があまりにも大きかったために、
切開創を大きくする必要がありました。
また長期にわたる炎症の結果、
膀胱もかなり肥厚していたため、
出血量もかなり多くなってしまいました。
手術後の体調・感染が心配でしたが、
本人はいたって元気でいてくれて、
本日無事退院してくれました。
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2018年3月23日15:11:00
わんちゃんを飼っている飼い主様のお宅には、
そろそろ保健所からの狂犬病はがきが
届いていると思います。
我が家にも先日届きました。
今月に入って、
『狂犬病の注射+フィラリア検査+ノミマダニ予防』
をセットにしての来院が増えています。
わんちゃんを飼っているにもかかわらず、
このハガキが届かない場合は、
法律で定められている登録の手続きが
できていない可能性がありますので、
保健所にお問い合わせください。
当院でも登録の手続きは可能ですので、
ご相談ください!
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2018年3月7日18:23:00
『・・・を食べたけど、大丈夫でしょうか?』
という異物摂取の相談はしょっちゅうあります
一昨日の夜にも『画びょうを食べたかも?』
との問い合わせがありました。
画びょう・・・て懐かしい響きだなぁと思いつつ、
『慌てなくても良いので、明日レントゲンを撮りましょう。』
ということになって、
翌日レントゲンを撮ってみると・・・
よりによって体重約2kgの小さなチワワ。
『画びょうってこんなに大きかったっけ・・・?』
と思ってしまうほど、
画びょうが大きく見えてしまいます・・・。
内視鏡も考えましたが、犬が小さいことや、
胃内に他の内容物もあるので、
今回は胃切開をすることにしました。
小さな胃を開けてみると、画びょう以外にも
色んなものが出てきました。
胃切開は飼い主様が想像するよりも、
わんちゃんの回復は早いもので、
今回も今日の午後からは少量づつですが、
与えたご飯も元気に食べてくれて一安心。
今や日本は超小型犬時代といったかんじで、
小さいワンちゃんが増えました。
骨格が小さいと、当然胃は小さく、腸も細くなります。
腸が細いと腸閉塞のリスクも高くなりますし、
飼い主様のお薬の誤飲などによる中毒のリスクも
高くなります。
くれぐれもお気を付けください!
[ テーマ: 病気 ]
2017年7月31日09:49:00
昨日は2日前から頻回の嘔吐をしている
わんちゃんの診察からスタート。
飼い主様は心当たりがないとのことでしたが、
異物摂取の可能性を一番に考えつつ検査をすると、
胃の中がパンパンな状態・・。
状態も良く無かったため、緊急手術となりました。
開腹するとカチカチの胃が現れました
タオルのようなものを疑っていましたが、
予想外の硬さと胃の大きさに少し動揺・・・
恐る恐る胃を切開・・・
硬く変性したウレタンスポンジのような・・・?
ただ異物が大きすぎて、胃から出てこないし、
強く触れると崩れてしまう、厄介なものでした
体重8kgのわんちゃんの胃に入っていたとは
思えないほどの大きさです。
胃の粘膜もひどくダメージを受けていたため、
順調に回復するかどうか心配でしたが、
今朝には食餌も取れ、取りあえず回復傾向で一安心。
本当にお腹が痛くてしんどかったと思います。
異物摘出の手術は決して珍しくはないのですが、
記憶に残る手術となりました。
[ テーマ: 病気 ]
2017年7月5日19:04:00
『鼠径ヘルニア』という言葉は、
子犬を飼い始めた時に股の部分の膨らみとして
気が付くことがほとんどで、
長期間にわたって経過観察をすることが多いと思います。
今回は今年の春の予防の時に
『かかりつけの動物病院で様子を見ていたら、大きくなってきた!』
と相談を受けた10歳のM.ダックス♀でした。
鶏卵大よりも大きく膨らんでいて、
正直、元気食欲があるのならそのままでもと思いましたが、
検査をすると腸がかなり出てしまっていました。
手術のリスクなどを説明して、
この度手術をさせていただきました。
膨らみの中には小腸の大部分と子宮などが出ていて、
幸いダメージを与えずに分離でき、
無事にお腹側から引き戻すことができました。
ただヘルニア輪と呼ぶ『穴』を
しっかり塞ぐことが大切なのですが、
周りの組織が脆弱なためなかなか大変で、
今後の再発が最も心配ですが、
とりあえず、卵巣と子宮も摘出し、
無事に手術を終え、お返しすることができました。
今日はこの手術をしている最中に、
のら猫ちゃん♀の手術が3件も飛び込みで入ってしまい、
手術で疲れた一日でした・・・。
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2017年6月14日19:26:39
[ テーマ: 病気 ]
2017年6月6日08:12:00
お陰様で、開院12年目を迎えることができました。
『動物たちの健康と飼い主様の笑顔』の為に、
頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
春の予防シーズンも終わり、
病院も少し落ち着きつつありますが、
ここの所、お口に関する手術や処置が集中してありました。
他院で高齢を理由に歯科処置を受けられなかった
プードルはすでに歯周病から顎の骨が折れて、
骨も吸収されており、顎の先端部分の骨を切除。
高齢のラブラドールは歯茎に腫瘍ができていて、
顎の骨と一緒に切除。
重度歯周病のチワワの全抜歯。
口腔内悪性メラノーマが再発したコッカースパニエルは
すでに転移も確認できていますが、
QOL(生活の質)の改善を目的とした切除
と盛りだくさんの内容・・・
どれも結構大変でした。
腫瘍に関しては予防することは難しいのですが、
気が付いた時には結構大きくなってしまっている場合が多いので、
高齢犬の飼い主様はお口の中のチェックもしてあげてください。
また小型犬は歯周病がひどくなりがちです。
歯周病から下顎骨骨折などは想像もつかないかもしれませんが、
もともとの骨も薄いため、起こり得ることです。
日頃のケアに加え、ひどくなる前に定期的な歯石除去をお勧めします。