[ テーマ: 病気 ]
2009年3月6日22:41:40
今日は停留睾丸の手術がありました。
停留睾丸とは雄の精巣がお腹の中や股の皮下に残ったままの状態にあることです。
比較的小型犬種に多い気がします。
今日のダックスは片側の精巣がお腹の中に残っていましたので、手術で摘出しました。
停留睾丸の原因には遺伝が関与しているのでは?と考えられているため、子供をとることはお勧めできません。
また、正常な精巣(陰嚢内にある精巣)に比べて将来精巣腫瘍になる可能性が10倍以上高いとの報告があるため、当院では摘出手術をおススメしています。
この病気は飼い主様とペットショップさんとの間でトラブルになることも多いようです。
先日もうちで健康診断をして停留睾丸を指摘された飼い主様から連絡があったとペットショップさんから電話がありました。
病院としては事実を飼い主様にお伝えするしかできないのですが、実際犬が小さすぎて分かりにくいこともあります。
ただ専門的な知識や器具を使わなくてもある程度確認可能な問題:例えば不正咬合、出べそ(臍ヘルニア)、鼠径ヘルニアなどはきちんと確認してあげて欲しいものです。
[ テーマ: 日記 ]
2009年3月5日22:01:06
今日は啓蟄(けいちつ):冬ごもりしていた虫たちが、穴から出てくるころという意味だそうです。
ということはそろそろ動物たちにとってありがたくないノミやダニなども気になる季節になってきました。
ノミ取り首輪やノミ取りシャンプーはあまり効果がないのでなるべく使用せず、動物病院専用の滴下タイプのものをおススメしています。
[ テーマ: 日記 ]
2009年3月4日22:12:49
夕方号泣する娘を抱いて奥さんが下りてきました。
夕飯にアジフライを食べた時に喉が痛くなったとのこと。
いつものようにご飯を飲み込みなさいといってもギャーギャー言いながら吐き出します。
本人の様子も唾液の量もいつもと違うので、念のため病院に連れて行きました。
喉の奥に傷があるのはわかるけど、骨が刺さっているかどうかまでは見えないとのこと。
でも娘は相変わらず苦しそう。
そこで、先生は一日様子を見て改善無ければ病院を紹介するとのことでしたが、喉頭鏡をかなり奥に入れなければなかったので、直後に3回ほどおう吐しました。
すると、唾液もおさまり痛くなくなったらしくホッとしました。
ということを夕飯時奥さんから聞きながら、動物だったらすぐ麻酔かけて内視鏡だねという話をしながら、ふといかに自分たちがリスキーな仕事をしているのかということを感じました。
毎日手術や処置、検査のために麻酔をかけています。
全く麻酔をかけない日はほとんどありません。
麻酔だけでなく、状態が悪いにもかかわらず暴れる動物たちは検査のために体を保定するだけでも危険なこともあります。
今日もウサギの手術をはじめ、19歳の高齢猫なのにネットから出せないくらい暴れる猫のⅩ線検査や採血など。
日頃の診察の中で起こりうる事故の可能性についてもう一度見つめ直す良い機会を、ひょんなことから娘にプレゼントされた気がしました。
[ テーマ: 病院 ]
2009年3月3日22:17:17
催吐処置とは動物を強制的に吐かせる処置のことです。
食べ物ではない異物を食べてしまったときなどに行います。
今回吐かせたのはトリミング後に付けてもらっていたリボンを毛に結わえていた布状のもの。
体の小さなトイプードルだったことと、食べてまだ時間が経っていなかったので念のため来院していただき無事吐かせました。
布などの繊維は問題になりやすく、今回は予想以上に長かったため無事吐き出せてよかったです。
異物摂取については電話での問い合わせが非常に多いです。
ほとんどの場合腸閉塞などの問題にはならないのですが、絶対大丈夫かどうか判断するのは正直難しいです。
去年この処置でストッキングやチェーンなどいろいろなものを吐かせました。
自宅にあるものだと食塩を小さじいっぱい喉の奥まで入れて飲ませることで吐かせることができますので、緊急時の対処法として覚えておいてください。
[ テーマ: 日記 ]
2009年3月2日22:00:06
数日前から体がだるいと言っていた奥さんがとうとうダウンしてしまいました。
僕は良く発熱するのですが、奥さんが体調崩すのは本当に珍しいです。
幸いインフルエンザではなかったのでとりあえず一安心です。
うちは母がいるのでいつも本当に助かるのですが、とくに子供たちのことなどいつも奥さんに当たり前にしてもらっていることのありがたさを改めて感じますね。
子供たちもなんとなく察するみたいで、いつもギャーギャー騒いでいるのに今日は驚くほど良い子にしていました。
季節の変わり目で日によって気温も変わりやすいので皆さんもお気をつけください。
僕が一番危ないような気もしますが...
[ テーマ: 日記 ]
2009年3月1日22:20:34
今日は内分泌疾患のセミナーに参加してきました。
診察は奥さん一人で頑張ってもらいました。
『内分泌疾患』とは糖尿病などホルモンに関連する疾患のことです。
今回は糖尿病(すい臓)、副腎、甲状腺疾患を中心に勉強させて頂きました。
病気・検査結果に対する考え方、新しいお薬の情報など勉強になることが多くあり、明日からの診療に役立てたいと思います。
2日早いですが我が家ではお雛さんのお祝いをしました。
母が買ってきてくれたケーキです。
我が家のお雛様です。
今は昔と違ってコンパクトですが、飾りやすくてとっても気に入っています。
[ テーマ: 病気 ]
2009年2月28日21:08:26
昨晩はセミナーに出席しました。テーマは『てんかん』。
『てんかん』とは慢性の脳疾患で、神経細胞の過剰な興奮によって何度も発作が起こることです。
『てんかん』は脳に異常が無く遺伝的な原因による『特発性てんかん』と、中枢神経系の障害が原因でおこる『症候性てんかん』に分かれますが、犬では約6割が特発性で、猫では逆に症候性が多いようです。
今回のセミナーでは普段あまり見ることの無いてんかん発作以外の発作の様子を動画で見ることができたり、大学病院での実際の診察の流れや検査、治療法について、また今後期待できる新しい治療薬など勉強することができて有意義な時間でした。
犬に多い特発性てんかんの場合は、発作が起こっている短時間の間以外は全く問題が無い為、長期間治療をせずに様子を診ている場合もあります。
数ヶ月に一度程度の発作で軽度の場合は治療をせずに様子を診ますが、3ヶ月に2回以上の発作がある場合は治療を開始し、発作を軽減することで、脳へのダメージをできるだけ少なくしていく必要があります。
心当たりのある飼主様は一度ご相談ください。
ところで、今朝は寒かったですね。
高松には珍しく朝霧が出ていました。
写真を撮ったときには大分霧も晴れて来てあまり良く分からないですが....
霧は水蒸気を含んだ大気の温度が下がることで、水蒸気が小さな水粒となって空気に浮かんだ状態だそうです。
[ テーマ: 本 ]
2009年2月27日16:02:04
近々テレビドラマがあるということで、本棚から出してきました。
数年前に表紙の格好よさに惹かれて購入した白洲次郎さんの本です。
奥様の白洲正子さんも本や雑誌で有名ですね。
とにかく戦後の日本のなかで最も格好良い日本人の1人であることは間違いないと思います。
マッカーサーを怒鳴りつけた男、吉田茂の参謀、日本国憲法、通産省設立、ジーンズを初めてはいた日本人など色々なエピソードがありますが、僕はまさに『戦後昭和の坂本竜馬』だと思っています。
今の日本や麻生太郎首相をみると白洲次郎はなんと言うだろうと考えてしまいます。
昨日本屋で文庫本も見つけました。
ドラマなどで興味を持った方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?
[ テーマ: 日記 ]
2009年2月26日22:27:21
今日は3カ月に1度の歯医者の日。
いつも『てらい歯科さん』にお世話になっています。
丁寧に対応していただき、たっぷり1時間かけて歯をきれいにしてもらっています。
僕はありがたいことに歯が痛くなった記憶がありません。
歯科衛生士さん曰く、もともと虫歯になりにくい口腔環境らしく、もう虫歯の心配はほとんどないとのことです。
ただ問題は歯周病です。
虫歯になりにくい人は歯周病菌が増えやすく、歯周病になりやすいそうです。
人も動物も歯は大切ですね。
飼い主様ご自身もぜひ定期的に歯医者さんで歯の手入れをしてもらいつつ、動物たちの歯にも気を付けてあげてください。
[ テーマ: 日記 ]
2009年2月25日20:51:59
今朝のニュースで『平成20年度全国犬猫飼育率調査結果』が発表されていました。
ペットフードメーカーなどで組織するペットフード工業会が行った調査結果だそうです。
飼育世帯数から推計した飼育数は犬1310万、猫1373万匹で、去年より130万匹増加し、犬よりも猫の増加傾向が強いとのことです。
動物でも高齢化が進んでいて7歳以上の割合が50%にも及ぶそうです。
数年前に犬猫の飼育数が15歳未満の子供の数を上回ったとも言われていて、今後動物の価値というものがより高くなっていくことは容易に予想されます。
ただ動物が増えればいいかといえばそうではないと思います。
飼育動物が増えるのと同時に毎年殺処分されていく動物たちも増えていることも忘れてはいけないと思います。
ただかわいいからといって安易に飼い始めて、臭い・うるさいからという理由で処分されていく動物たちもいれば、あまりにも過保護に育てられて、本来の動物らしさを失っているような動物たちもいます。
最近はどのニュースを見てもあまり良いことがありませんね。
動物を飼育するのには当然費用もかかりますし、労力も掛かります。部屋も汚れやすくなります。臭いもします。心配事も増えます。
ただそれらを差し引いても動物たちから与えられる幸せというのはかけがえのないものがあると思います。
これからもできるだけ多くの飼主様がより安心して動物と暮らしていけるように獣医療を通じてお手伝いができればと思います。